ビッグデータ(Big data)は「膨大なデータ」という意味ですが、もう少し詳しく言うと、ビッグデータは、過去の実績データを整理して保存したものです。
データにはライフサイクルがあります。データが作られてから、不要になるまでをひとつのライフサイクルと言います。
例えば、教習所のデータベースの「過去の実績データ」中には、「技能実績」「学科実績」「検定実績」「仮免試験実績」「職員勤務実績」「売上実績」「入校実績」「卒業生実績」「送迎バス実績」などがあります。
データ種類 | 生まれる時 | 確定する時 |
---|---|---|
技能実績 | 技能予約時 | 技能教習終了時 |
学科実績 | 学科予約時 ※実績登録時 | 学科教習終了時 |
検定実績 | 検定予約時 | 検定終了時 |
仮免試験実績 | 仮免試験予約時 | 試験終了時 |
勤務実績 | 勤務予定作成時 | その時間終了時 |
売上実績 | 売上処理時 | 売上処理時 |
入校実績 | 入校登録時 ※仮入校時 | 入校日終了時 |
卒業実績 | 卒業処理時 ※卒検合格時 | 卒業日終了時 |
送迎バス実績 | 送迎バス予約時 | 送迎終了時 |
ビッグデータ(Big data)は、データ ウェアハウス(DWH)とも言われます。データベースが「登録、更新、削除」の更新処理を行うのに対して、データ ウェアハウスは「過去のデータを整理して保管する」と思ってください。教習所のデータ ウェアハウスは、上記の表のように「技能実績」「学科実績」「検定実績」「仮免試験実績」「職員勤務実績」「売上実績」「入校実績」「卒業生実績」「送迎バス実績」などが挙げられます。これらのデータが確定した時点で、日次や月次に整理、分類して、保管して分析するために利用するのが、自動車教習所のデータ ウェアハウスになります。
例えば、「技能実績」は、教習生の予約を入れた際に作成され、技能教習が終わった後、(教習所によっては、履修項目を登録した後)にデータとして確立します。つまり最小の保存単位が、日付、時限、教習生になります。この最小データを1日単位でまとめたり、教習生単位でまとめることができるように、「日付、時限、教習生」を最小単位として、データウェアハウスに登録します。
教習所のビッグデータは、上記のようなものですが、再度整理してみたいと思います。
- 過去の実績データ
- 時系列(日次、月次など)で整理、分類されているデータ
- 履歴データ(更新や削除されない)
つまり、過去の実績データを時系列に整理、分類したデータで、更新や削除されないデータの集まりをビッグデータを呼んでいます。
それでは、なぜ、今、ビッグデータが注目されているのでしょうか?
現在、あらゆる業種、あらゆる規模で成功している会社の特徴は、データを分析して、解析し、ビジネス価値を評価することができる、という点です。小売業、運輸業、宿泊業、金融サービスなど、業種によっては非常に重要な経営のノウハウです。また、これから先、そのような業種は増え続けるはずです。
データ分析することで、そこから大きな価値を得るには、対象となるデータが多くなければなりません。そのため、より多くのデータをビッグデータとして集めて、それを解析することが重要になってきます。
これまで多くの自動車教習所は、入校生数を指標にしてきたと思います。
ところが、入校データを前月比、前年比で比べるだけでは、傾向が読めない時代になっています。例えば、卒業生データは、在籍日数や来校日数などの情報もあり、それを分析することで、新しいノウハウが生まれるかも知れません。
ビッグデータは、そもそも試行錯誤の繰り返しで、情報とノウハウを蓄積していくものです。
Google BigQuery(ビッグクエリ)は、グーグル社が提供するデータ ウェアハウスのクラウドサービスです。Google BigQueryは、Google Cloud Platform(GCP) で提供されるプロダクトのひとつで、一定量まで無料で利用できます。(2021年1月時点)
当社では今後、ビッグデータの活用に成功している自動車教習所の事例などもご案内して行きたいと思います。