AI顔認証とは?

AIとは?

 AIとは、Artificial Intelligenceの略で人工知能のことです。人口知能とは、「学習・推論・判断といった人間の知能のもつ機能を備えたコンピューターシステム」であり、未来は人間以上の知能を持つようになりますが、現在のところ、画像認識や音声認識、自然言語処理などの技術のことです。AIは「ディープラーニング(深層学習)」という技術によって、毎回処理するデータを蓄積して、コンピュータが学習し、自動的に答えを出すことを繰り返すうちに、徐々に識別や処理の精度を向上させることができます。

AI顔認証機とは?

 組み込んだカメラと人工知能を使って、人物を顔によって特定できるのがAI顔認証機です。当社では、下の写真のような機種を使ってますが、2つのカメラで立体的に顔の輪郭や目、鼻などの形状を分析して、予め登録していた写真データと照合します。 何度も何度も認証を繰り返すうちに、AIはディープラーニングによって、本人の特定能力をあげていきます。

教習所ではどうやって認証しますか?

 これまで自動車教習所では、次のような場面で教習生の本人確認を行ってきたと思います。

  • 技能教習の時に、教習原簿の顔写真で本人確認
  • 学科教習の時に、教習原簿の顔写真の本人確認
  • 検定試験の時に、教習原簿の顔写真の本人確認
  • 仮免学科試験の時に、教習原簿の顔写真の本人確認

 そして、教習所システムや原簿検索機、学科自習ソフトなどのシステムを導入済みの教習所は、次のような場面でも本人認証を行っています。

  • 教習所システムの予約機で予約をする際に、ICカードで本人確認
  • 教習所システムの配車機で自動配車をする際に、ICカードで本人確認
  • 原簿検索機から教習原簿をとりだす際に、ICカードで本人確認
  • 技能インターネット予約やインターネット学科自習の際に、ユーザID、パスワードによる本人確認

 本人認証はICカードだけでなく、磁気カード、リライトカード、バーコードでも同じような使い方をします。前提条件は、「そのカードを常に本人が持っている」ということで、他人に貸したり、預けたりしないことになっています。

 指導員または検定員が本人確認をする際には、「教習原簿の顔写真」を利用。教習所システムや原簿検索機はICカード。インターネット予約の際は、ユーザID、パスワードで認証するというのが一般的だったと思います。

 当社では、教習所システムや原簿検索機の認証に、ICカードの代わりに「静脈認証」やスマホにバーコードを表示させる認証も行ってきましたが、指導員または検定員が「教習原簿の顔写真」で本人確認を行ってきたことに変わりはありませんでした。

なぜ、AI顔認証機なの?

 これまでもAI(人工知能)による顔認証技術はありましたが、非常に高価であり教習システムとの連携が非常に難しかったのですが、今回のコロナ禍でコンパクトなAI機能を搭載した顔認証機がたくさん出回るようになりました。手軽というほどの金額ではありませんが、以前のものと比較すると桁がひとつ少なく、さらに教習システムとの連携もできるようになりました。

 AI顔認証の簡単な説明をします。

  • 入校時に顔写真の登録をします。教習生の顔写真を撮ったデータがあれば教習システムから簡単に登録できます。
  • 教習生がAI顔認証機で「認証」を行うと、瞬時にカメラに写っている顔が誰のものか確認します。マスクを付けていても顔認証できますし、マスクの有無により警告を出すこともできます。。
  • 同時にサーマルカメラで体温を測定します。設定温度以上の体温があると、警告をだすことができます。
  • 顔認証した結果を、事務所のパソコンの画面に瞬時に表示することができます。その際に、認証の結果、認証に使った顔写真、体温、マスクの有無を表示します。
  • 顔認認証した結果は、瞬時に教習所システムに連携されますので、原簿検索機の取り出しや、配車券を出すことも可能です。
  • 当社の教習所システムでは、顔認証機を同時に20台まで接続できるようになっています。

AI顔認証機によって、今のコロナ対策は、例えばこのようなこともできるようになりました。

  • 熱があったり、マスクをしていない人は配車しない。
  • 熱があったり、マスクをしていない人は原簿検索機がとりだせない。
  • 熱があったり、マスクをしていない人は学科教室に入れない。
  • 熱があったり、マスクをしていない人は受付に入れない。

 このAI認証機のAI(人工知能)のすごいところは、何度も認証をしていくうちに、顔の情報をAIが学習して、認識の精度が上がっていくことです。この分野の技術はこれからもっと進化していくでしょうから、もっと認識率があがってくると思います。

AI顔認証機は他に使える?

 ところで、当社では、このAI認証機を教習所の職員さんにも使ってもらい、出退勤の管理のためのタイムカード代わりに利用しています。

 もちろん、コロナ対策で体温の測定もできますが、日々の出勤時間、退出時間を自動で記録して、勤務表を自動で作成することができます。そこで、勤怠管理システムを開発しました。教習管理ソフト「Profit」と連動することができます。

  • 職員は、出勤時にAI認証機で認証をします。認証データは「勤怠管理システム」に送られます。
  • 遅刻や早退、欠勤など特別は勤務の場合は、上司に申請ができます。承認されれば、その記録が自動で勤務表に登録されます。また、教習管理システム「Profit」の勤務結果を受け取って、実際の出退勤時間と確認することもできます。
  • 「勤怠管理システム」には、他に有給休暇の管理機能も付いていますので、計画的に有給休暇を取得することもできます。

 実は、今後の教習原簿の電子化の中で、このAI顔認証技術は非常に役に立ちます。詳細は、「教習原簿の電子化」の方で解説したいと思いますが、AI顔認証技術と教習原簿の電子はセットにして考えた方が良いと思います。

 これまで、教習原簿の小さな写真を見て、本人確認をしてきましたが、非常に難しくて、手間のかかる作業だったと思います。技能教習時、学科受講時、検定受検時、学科試験受験時など、毎回、毎回、よくやっていたと思います。

 AI顔認証機を利用する場面は、これからもっと増えてくると思います。